2008.11.23 第6集 アレルギー
・NHKSP 病の起源
アレルギー
先進国では、3人に一人がアレルギーに苦しんでいる。
ほ乳類のみが持つ
新しい免疫が迷走している状態
病原体から体を守るべき免疫がなぜ私たちに刃向かうようになったのか?
最新の研究で花粉症やぜんそくには思わぬ原因があることがようやく分かってきた?
乳幼児を取り巻く生活環境が激変したために免疫に異変が起きているというのだ。
人間は生活環境を早く変えすぎた。
一人の意思が日光にやってきた。
斉藤医師
多くの患者が同時に同じ症状を持ってやってきたのに驚いた。海外の論文に数多く目を通している斉藤医師。
ヘイ・フィーバー(イギリスの夏に大流行する花粉症のこと)ではないかと医師は疑った。イギリスの国土の半分は牧草地。花粉がすごい。これがヘイ・フィーバー。街を透明なヘルメットをすっぽりかぶっている住民。
もともと人間は免疫という仕組みが備わっている。本来害のない花粉を危険因子と認識してしまう。過剰反応するのがアレルギー反応だ。
このアレルギー反応の犯人が体内で作られるIgEという物質だ。花粉だけでなく、家ダニなどでもIgEが鼻や目の粘膜にあるマスト細胞に張り付く。マスト細胞が爆発して炎症物質が飛び出し、神経を刺激しておきるのがアレルギー反応である。くしゃみ・鼻水を起こしている。
IgEさえなければ花粉症は起こらないか?
ほ乳類の先祖。2億年前の地球では、恐竜などの大型ハ虫類が闊歩していたときに、ほ乳類の先祖が誕生した。体長10cm。生命を脅かす敵。体外から体内へ侵入する細菌・ウィルス・皮膚にこびりつく吸血ダニや内臓に入り込む寄生虫。
細菌やウィルスに対してはほ乳類になる前からの体内に持っていた細菌型免疫で戦っていた。
ダニは強力な病原体を媒体する。
しかし、ダニや寄生虫には効果がなかった。皮膚が柔らかいほ乳類は常に攻撃に晒されていた。
しかし、ほ乳類は他の生き物が持たない新しいタイプの免疫を持つようになってきた。これがIgEによる免疫である。
IgEは、吸血ダニと戦うのに有効だということを明らかにした。(東京農工大学)
IgEありのネズミとIgEなしのネズミの実験。
タンザニア ハザ族 日常的に吸血ダニや寄生虫の攻撃に晒されている。こうした攻撃から守ってくれるのがIgEによる免疫である。
吸血ダニには皮膚を溶かすための酵素を出す。すると免疫細胞が酵素に対するIgEを出す。IgEはマスト細胞にとりつく。再び酵素が入ってくるとマスト細胞の表面のIgEが酵素を捕まえる。そうするとマスト細胞が炎症物質をはき出し、ダニや寄生虫が嫌がって逃げたり、ショック死をする。
私たち人類が京まで生き延びてきたのも、二億年前に獲得した新しい免疫、IgEの効果によるもの。しかし、環境が激変し、ダニや寄生虫が少なくなってきたところにきて私たちにとって無害である花粉に向けることによって、私たちを苦しめている。
花粉が増えたからアレルギー症状が多くなった?それだけでは説明できない。5年前の調査で、昭和30年代以降に生まれた人には、80%以上の人がアレルギー体質を持っていることが分かった。驚くべきものだった。世代間ギャップの原因は何か?
杉花粉やダニになどが増えて、アレルギー体質の人が増えたというのもアレルギー症状の人が増えたという理由の一つではあるが、世代間ギャップが大きい理由にはならない。
アレルギーを防いでいたあるものとは何か?
モンゴル アレルギーのない国 平原が国土の80%を占めている。
80万人の遊牧民が昔ながらの生活を強いている。1500人の大規模調査をした。モンゴル健康大学。日本の5分の1のアレルギー。
でも、モンゴルの草原にもアレルギーの原因となる物質はたくさんある。しかし、何が遊牧民のアレルギーを防いでいるのか?
オーストリア ザルツブルク大学
10年以上にわたって地元の子供たちのアレルギー調査をしている。
農家の子供とそれ以外のこと分けて調査をした。農家の子供は花粉症は3分の1以下だった。なぜ、農家の子供にアレルギーは少ないのか?
環境のうち、大気汚染か?食事なのか?よく分からなかった。
セバスチャン君。親戚の家へやってきて牛と遊んでいる。家は農家でないのにアレルギーになっていないこの共通点を探した。
ザルツブルク大学 リーデー教授 この調査の結果ではビックリした。
家畜とふれあうことでアレルギーを防ぐことになる。
ミュンヘン大学 ムーチウス博士 アレルギーのことそうではない子の違いは何か?ある共通する成分が多く見つかった。
エンドトキシン 細菌が死んでバラバラになるときにたくさん出てくる物質。
エンドトキシンの多いマットレスに寝ている子はアレルギーになりにくかった。エンドトキシンが多量に含まれているもの、それは糞(ふん)だった。そのインドトキシンを吸い込み、あるいは衣服にくっついて室内に持ち込む。
モンゴル 家畜は食糧であると同時に子供たちの遊び相手。エンドトキシンですべてを説明できるわけではない。 ミュンヘン大学
牛と出会うのが遅すぎたのか?
1歳までにエンドトキシンにふれさせると、そうでない人より4倍ならない。
人は、生まれた直後からダニや細菌と出会うことで、一から免疫を作るように進化してきた。
赤ちゃんの体の中には、まだ役割が決まっていない、未熟な免疫細胞が無数にある。生まれた直後、細菌が次々に入ってくると未熟な免疫細胞は細菌を攻撃する形に変身する。人類がほ乳類になる前から備わっていた、古いタイプの免疫(細菌型免疫)。
一方、ダニや寄生虫に襲われればほ乳類が獲得した新しい免疫、IgE型免疫(新しい免疫)に変身する。
現実には乳幼児期に二種類の免疫細胞は体内でせめぎ合う。このバランスがその後、アレルギーになりやすいかどうか、一生の体質を決めると言われている。
オーストリアの赤ちゃんのように、生まれた直後から、エンドトキシンにふれるとどうなるか?
エンドトキシンにふれると、細菌に感染したと同じような効果がある。
多くのエンドトキシンに小さいときにふれると、細菌型の免疫細胞が増えるので花粉やダニのアレルギーにはならない体質となる。
一方、現在の日本のように、細菌やエンドトキシンが少なく花粉が多い環境におかれると、免疫細胞はあたかも、ダニや花粉が多い環境と誤解してしまう。免疫細胞はIgEを作る形に偏ってしまい、アレルギー体質になってしまう。
乳幼児期の体験は、アレルギー体質に大きく影響している。昭和20年代は、農村に暮らす人が多く家畜と一緒に暮らしていた。
昭和30年代になると、高度経済成長政策により、都市化が進み家畜と一緒に暮らすなどということがなくなり、衛生環境も進んできた。この衛生環境の激変により、アレルギー体質の人が多く出てきた。人間は生活環境を早く変えすぎた。私の体がとても激しい変化について行けなくなった。
私たちは人間以外の動物を排除していっていいものなのだろうか?衛生環境が向上し、乳幼児の死亡率が上がった。変化が激しすぎたのか?
ジーン・ゴールディング博士
第1子と第4子の花粉症の割合は3倍以上。調査結果にびっくりした。
なぜ、後から生まれた子に花粉症が少ないのか?
細菌との接触の多寡がアレルギー体質であるかどうかを決める。エンドトキシンとアレルギー体質。ワクチン。
- http://katobuntaro.blog18.fc2.com/tb.php/171-3818dde6
0件のトラックバック
コメントの投稿